ＬＩＮＥで相談
自宅のガレージの柱にぶつけてしまったとの事で修理入庫いたしました。
フロントドアドアからクオーターパネルにかけて広範囲に渡りへこんでしまってます。
フロントドアは鈑金修理、クオーターパネルは取り替えで作業していきます。
▼クオーターパネル取り替えにあたり サイドガラス、リヤバンパー、リヤシート、
室内内張り等を取り外していきます。
▼車のパネルは、スポット溶接でくっついているのでクオーターパネルの溶接箇所を見つけて目視しやすい様にマーキングしていきます。
▼注文しておいたクオーターパネルが届いたので、よく考えてどこから切り合わせて修理するか決めています。
▼修理の方向性が定まったらスポットミルと言うドリルでスポット溶接を削り取っていきます。
▼切り継ぎを決めた場所よりも少し短めの位置で専用の工具を使いカットしてクオーターパネルを切り離します。
▼ここからの作業は鉄粉が多く出ますので車全体を養生しています。
▼新品のクオーターパネルを今しがた切り離したダメージを受けているパネルよりも少し大きめにカットし車体に仮合わせします。
▼フロントドアとの隙間具合等確認。いい感じのようなのでこのままパネルをかぶせたまま切り継ぎ箇所をカットします。こうする事で車体側と新品パネル側を同時に全く同じ部分をカット出来ます。
カット出来ましたら一旦取り外して次の作業に移ります。
▼車体側の切り継ぎ箇所に補強の為に鉄板で作った裏当てを入れて溶接します。
切り継ぎ箇所は3箇所あるので全て裏当て加工します。
▼裏当てしているので新品パネルもかっちりと噛み合う様に仮合わせ出来ます。
▼新品パネル側にも裏当て用の溶接穴をあけていきます。
▼溶接準備が整ったらタイヤハウス部分のアーチの所にはパネルボンドと言う接着剤を塗ります。
▲▼二液混合なのでよく混ぜてから新品パネル側と車体側の両方に強くシゴキ付けていきます。
通電性のある接着剤の為このまま溶接も出来き、タイヤで巻き上げられる水の侵入も防いでくれます。
▼接着剤が乾く前にスポット溶接機を使い溶接して新品パネルをくっつけていきます。
▼スポット溶接機を使うと鉄板の熱変形も無く、綺麗に強力にくっつける事が出来ます。パネルボンド部も通電性があるので問題無く付きます。
▼切り継ぎ箇所は半自動溶接機というまた別の溶接機を使ってくっつけます。
▼スポット溶接痕は「ナゲット」と呼ばれます。溶接機の先端をこまめにメンテナンスしているので綺麗なナゲットになっています。
▼全ての溶接が終わったら半自動の方で溶接した所をエアサンダーを使い平らに削って慣らしていきます。
▼フロントドアの方も後ろ側がへこんでいた場所を鈑金して
▼パテ付けし
▼同時にクオーターパネル切り継ぎ箇所もパテ付けし、研磨して形を整えていきます。
▼塗装ブースに移動しマスキングしてサフェーサー塗装します。
▼フロントドアも一緒に塗装します。
▼サフェーサー乾燥後にサイドステップ下部に飛び石キズ防止の為のチッピングコートを塗装します。
▲▼この塗料は乾燥しても弾性があり軽い飛び石が当たっても上塗り塗装の割れを防いでくれます。
▼上塗り塗装はフロントドアから先に仕上げていきます。
サフェーサーを水研ぎ研磨して綺麗な下地をつくります。
▼ブースにて上塗り塗装のマスキングをし
▼シルバーカラーをリヤ側からフロント側にかけてボカシ塗装します。
ボカシ際が分からなくなるように徐々に塗り広げていきます。
▼続いてクリヤー塗装してから赤外線ヒーターを使い乾燥させます。
▼クオーターパネルもフロントドア同様に下地を作り
▼丁寧に脱脂したらパネルのつなぎ目に防水用のシーラーを流し込んでいきます。
▼テールランプ部分は見える場所にシーラーがあるので特に綺麗に流し込みます。
▼シーラー乾燥後に上塗り塗装する為のマスキングをしシルバーカラーをムラにならない様に薄く数回に分けて塗装します。
▼続けてクリヤー塗装もします。肌と艶に気をつけながら仕上げていきます。
クリヤー後、ヒーターにて強制乾燥させます。
▼完全乾燥後、外に出して塗装具合を確認。
▼色々な角度から目視して色ムラやボカシ際をチェックします。
綺麗に仕上がりました。
▼塗装中についてしまったゴミ取りとクリヤーの肌調整の磨きをします。
#2000〜#3000のペーパーで研磨してから数種類のコンパウンドを使い磨いていきます。
▼パネルの内部には防錆浸透剤を吹き込んでスポット溶接箇所等を強力に錆止めします。浸透性があるのでパネルの僅かな隙間にもシュワシュワと発泡して奥深くまで入っていきます。
▼取り外していたガラスやシート等のパーツを全て組み付けて完成です。
最後に室内清掃して洗車してからお客様のもとへ納車いたします。
▲▼新車の様にピカピカに蘇りました。
ご来店ありがとうございました。